僕の好きな冒険家、旅行者の多くがXで絶賛ていた本。一気読みでした。
窪田新之助「対馬の海に沈む」集英社 ISBN: 978-4-08-781761-4
(ネタバレ)
驚きの最終盤。どんなミステリーよりもミステリーな結末。日本社会の闇は深い。
対馬のJAで神様、天皇と呼ばれていた男が車ごと海に飛び込んだ。彼はなぜ死ななければならなかったのか? 著者は JA共済を舞台におこる様々な不正、というよりも「闇」を暴いていく。それは、著者の前著「農協の闇」(現代新書)が描き出した闇の一つの具体的な噴出。
ただ、執拗な、徹底した取材でそれは海に飛び込んだ男「だけ」の犯罪ではなかったという真実を暴いていく。対馬JA、彼によって共済加入した対馬の人々による共犯。みんなが「受益」者だった。対馬JAだけではない、JA共済、JA全体もまた「受益」者だった。そして、被害者は全国の他の共済加入者。それが著者の結論。
しかし実際には、彼だけの犯罪とされ、JAや地域は被害者とみなされ、共犯者たちは組織の中で昇進し、地域の人々は普通に生活を営む。日本社会の闇をそこに見る。

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