2024年12月4日水曜日

韓国の戒厳令には恐怖した 「憲法に緊急事態条項は必要か」



 今朝目が覚めたら、韓国の戒厳令はすでに解除されていた。

 国会議員はすぐに封鎖されている国会に登院して全会一致で戒厳令の解除を決議し、市民は国会議員を支援するために国会を取り巻いた。戒厳令が発令されて、軍が出動している状況下での素早い行動である。誰かに指示された行動でなく、民主主義の社会を守り抜こうという市民ひとりひとりの決意であろう。光州などでたくさんの血を流して手にした民主主義を市民は守り抜いた。

 成熟した民主主義社会と思っていた韓国での戒厳令、アメリカでは大統領の煽動で大衆が国会議事堂に突入する。僕らが手にしている民主主義はとても脆いものかもしれない。どちらもその目論見は成就しなかったが、それは運が良かっただけかもしれない。そのことに恐怖する。

 もし日本で、憲法に緊急事態条項が追加されたら・・・・・今日の韓国のようなことが起こる可能性を抱えることになる。あえて、そんなことをする必要があるのだろうか、ということである。ちょっと古い本だけど、とてもよくまとまっています。


永井幸寿「憲法に緊急事態条項は必要か」岩波ブックレット ISBN:978-4002709451

 現憲法は災害などの緊急事態について想定し、国会が機能するように定めているし、法律で一部の基本的人権を制限することまで含めて準備している。災害にも、テロにも現憲法と法律で対処できるのである。できるように原理的にはなっているのである。出来ないとすれば、きちんと準備していない国会と行政の怠慢でしかない。そして、この国が先の大戦に突き進んで引き返せなかったことや、例えばワイマール憲法下において合法的にナチ政権が誕生したのは、どちらも国家緊急権の乱用であった事実を踏まえれば、現憲法は国家緊急権を認めていない、と著者は言う。それが学会の通説だと。
 そして、自民党の憲法試案にある国家緊急権条項が、それら過去から一切を学ばないばかりか、大日本国憲法の国家緊急権よりもさらに首相に権限を集中させ、基本的人権を制限し、国会や裁判所の役割を排除する、とんでもなく危険なものであるということを明らかにする。



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