2026年4月27日月曜日

美作の里山に古本屋をオープンして1年経ちました 「 2000日の海外放浪の果てにたどり着いたのは山奥の集落の一番上だった」

  なんだかんだで、オープンして1年経ちました。次の営業日から2年目に突入します。色々あった1年でしたが・・・・なんて書きたいのですが、基本的に何もない、時々お客様にお越しいただき、時々ネットでご注文いただく、穏やかな日々でした。これからもこんな感じで続けていくのだと思います。

 この古本屋をやる動機みたいなものをホームページに書いています。「「人生を豊かにするのは、人、本、旅」だと言われています。そして、旅と本とこれまで出会った様々な人たちのおかげで今の僕はあります。そのことを実感しています。この古本屋さんで、本の中にある人・本・旅と、それぞれに出会っていただく機会となれば、そしてそれが実際の旅の動機になれば、こんな嬉しいことはありません。」というのに相応しい本に、ちょうど一周年というタイミングで出会いました。

  2010年、日本で生きづらい思いをしていた著者は自衛隊を辞めて、世界一周の旅に出ます。2回の放浪を経て、福岡県八女市の限界集落の古民家でゲストハウスを開業。開業すると、世界中の友達がやってきて、国内からは移住者もやってきて地方創生のヒーローになってしまう話。


 著者はこう書きます。「ワーホリっていうのは自由度はかなり高く、外国語を習得しながら世界中に友達を作りつつ働いて貯金できるというすごいシステムだ(中略)。できれば今の日本人の若者みんな、特に旅立ったころの僕と同じようにほとんど日本を出た国のないような人たちにはぜひともやってほしいチャレンジでもある。全く違う文化、考え方をする人たちに触れてほしい、そしてたくさんのカルチャーショックを経験してほしい。」

 著者は最初にカナダでワーホリをして英語を習得します。中南米では英語が通じないことを知り、グアテマラでスペイン語留学をします。こうやって旅の「ツール」を手に入れると、そのあとはヒッチハイク、カウチサーフィン、そして旅で知り合った友人宅へ。少ないコストで、行きたいところへは全部行った、やりたいことは全部した著者は、日本に戻り、山奥の集落でゲストハウスを開業します。

 彼の海外放浪がすごい! 誰にもはできないと思ってしまうけど、本当は多分本気でその気になればできることなんだと思わせてくれる。ウルグアイのムヒカ大統領にだって会ってしまう。

 本気で頑張ってみよう、という気分にさせてくれる書。(2026年4月 記)


2026年4月26日日曜日

嬉しい本の旅立ち 新しい本の値入れと棚だし

  今日は久々に複数組のご来店。推しの本も買っていただきました。こんな日があるから、細々とでも続けていきたいものです。

 そして、買い取った本の値入れと棚だし。少し入れ替えました。


 明日は1年目最後の営業日となります。何とか、1周年を迎えることができそうです。


2026年4月25日土曜日

5月の営業スケジュールを決定ました ちょっと変則的なところもあります

  GWが始まりました。旅行で岡山北部、鳥取を目指す皆様にちょっと立ち寄っていただけたらと思っている、美作の里山のBooks tabito 蔵です。今日は残念でした。

 営業日が分からなければ予定もできないじゃないか、ということもあると思いますので、ちょっと早めですが5月の営業スケジュールを決定ました。

 5月1〜3日は用があっておやすみします。代わりに4日〜6日の祝日は営業します。このあたりを目指してお越しいただけるととても嬉しいです。

 5月末は「周南本屋通り」出店のため閉店いたします。山口県のみなさまにお会いできると嬉しいです。

 大昔に書いていたバンコク・カオサンの古本屋事情をnote にアップしました。今となっては、全く役に立ちませんが・・・・・。
            昔、バンコク・カオサンで買った本




2026年4月20日月曜日

1年待ちましたね 「本なら売るほど(3)」

  ずいぶん待ちました。近くの本屋さんで探したのですが見つからなくて、先週末に梅田の蔦屋書店で見つけてようやく読むことができました。「本なら売るほど(3)」です。

 最初の「猫の威を借る・・」は少し前に「夢の猫本屋ができるまで Cat's Meow Books」(集英社)を読んでいたので、ちょっと笑いました。BAR「阿吽」とその本棚、そこで過ごす時間がとても素敵です。

 今回は十月堂の店主のTシャツが秀逸! 面白すぎ! どんなふうに面白いかは、本書を読んでご確認ください。(2026年4月 記)
 
 「本なら売るほど(3)」を含めて、書店関連の本をOnline shopに少しアップしました。少し古い本が多いのですが、本屋は楽しい! を感じていただける本たちです。

 Online shopは下記からご利用ください。ご注文いただけると、嬉しいです。





2026年4月12日日曜日

「周南本屋通り」の公式ホームページができたそうです 5月30-31日

  今日も静かに、Online shopに商品を登録しているとメールが・・・。

当店も出店する「周南本屋通り」の公式ホームページができたというお知らせでした。

 5月30-31日、山口県周南市です。山口県のみなさまとお会いできることを楽しみに、ボチボチと準備を進めています。

2026年4月11日土曜日

天気は良くて暖かかったのですが・・・・河出書房新社「世界探検全集」

  快晴の美作の里山でしたが、お客様のご来店はありませんでした。時間があったので、コツコツコツとOnline shopに河出書房新社の復刊された「世界探検全集」を登録しました。


 復刊にあたっては、各巻共識者による「巻頭解説=ナビゲーション」が書き下ろしで増補されています。全て貴重な書籍で、入手困難になっていたものもあります。非売品(全巻予約者特典)の「未来の冒険準備室」もあります。

 Online shopは少しずつ登録が増えています。ぜひ一度、覗いてみてください。


2026年4月6日月曜日

webから合計30冊の注文をいただきました Online shop

 今朝、PCのメールを開いてみるとOnline shopから注文が来ていました。

 メルカリに出品している本の注文もあって、合計30冊。嬉しい! ありがとうございます!  せっせと梱包して、出荷しました。

 そして、今日も新しい本を登録しています。Online shopをよろしくお願いいたします。



2026年4月5日日曜日

4月のフェアは「人生を変える旅」です

  昨日の春の嵐から一転、初夏の陽気になった美作の里山です。

 さて、4月のフェアは「人生を変える旅」です。著者たちの人生を変えた旅はどんな旅だったのでしょうか。少し古い旅ですが、いまの若い読者が読んでもきっとそんな旅をしてみたい、と思うような旅です。


 人生を変えるような旅に出会ってほしい、と思います。

 僕の人生を変えた旅は、1985年大学4年の時のヨーロッパ40日間バックパック旅でした。この旅と、たくさんの読書体験と大学や仕事で出会った人々が現在の僕を形作ってきました。

 Books tabito 蔵 にはフィクションもコミックスもあります。でも多くはノンフィクションです。その中でも、「旅の本」「冒険の本」「本の本」が中心になっています。ライフネット生命保険会社を創業した、立命館アジア太平洋大学(APU)の前学長・出口治明さんは、「人生を豊かにするのは、人、本、旅」だと言われています。そして、旅と本とこれまで出会った様々な人たちのおかげで今の僕はあります。そのことを実感しています。この古本屋さんで、本の中にある人・本・旅と、それぞれに出会っていただく機会となれば、そしてそれが実際の旅の動機になれば、こんな嬉しいことはありません。

2026年4月4日土曜日

営業中に停電!  こんなことが日常になるかもしれませんね 「流浪地球」

 今日、営業中になんと停電! 春の嵐のせいでしょうか。 しばらくして回復したかと思ったら、またすぐに停電。その後すぐに回復したのですが、本当のところ原因はなんだったんだろう?

 中東の戦争が長引けば、停電が日常になるかもしれません。中東からの石油や天然ガスがいつ輸入できるようになるのか見通せない中、補助金を入れて需要を喚起するなんてよくわかりません。ウクライナ戦争で原油価格が高騰した時にも、補助金をジャブジャブ注ぎ込見ました。確かに生活者にとっては厳しい状況で支援が必要だったと思いますが、それはガソリンや電気代に補助金を注ぎ込むのではなく、困窮者に直接的に現金支給して支えるべきだったんだと思います。

 かつてのオイルショックの時には、街からネオンが消え、テレビの深夜放送がなくなり、企業、家庭は徹底的な節電に努めました。そしてイノベーションが進み、アメリカなどと比べるとかなりの省エネ社会になりました。

 ヨーロッパはウクライナ戦争の原油高騰に対して、脱石油を大胆に進めています。本来でしたら、日本もそう進むべきだったと思います。再エネを大胆に進めるべきだったのです。さらなる省エネ社会の創造に舵を切るべきだったのです。そう思います。2回もチャンスを逃してしまいました。

  人類は愚かだ、という本。

SF寓話。
人類は全体として理性的、合理的であり得るのか、の物語。数百年、数千年に渡る計画を人類は計画的に成し遂げることができるのか、というのは現在の地球温暖化問題、資本主義的貧困問題、シンギュラリティ等々に人類は勝利できるのか、という問題の比喩である。「三体」でも、この短編集でも、人類は人類として長い長い計画に取り組むが、「三体」「流浪地球」では敗北し、「ミクロ紀元」「貪食者」「呪い5.0」でも現生人類は敗北する。


  一方、太陽と地球、人間の物語。「三体」もそうだったのかもしれない。太陽と地球の絶妙な関係性、太陽の大きさ、エネルギー、地球との距離・・・・。「三体」そして、この短編集は全て「太陽をめぐる物語」とも言えるだろう。それは、地球文明が限りない偶然の産物であることを讃える讃歌とも言える。


「流浪地球」
400年後に太陽はヘリウム・フラッシュと呼ばれる大爆発を起こす。地球はその爆発によって蒸発してしまうことがわかった。人類は、地球に巨大なエンジンを取り付けて、地球ごと別の恒星の元への移住を計画し、実行する。地球が太陽系を脱出するのに必要な速度に達した時、「反乱」が起こる。「地球は騙されました! 人類は騙されました! 太陽は昔の太陽のままです。太陽は爆発などしません。彼らがすべてを捏造したのです!」。そして、地球政府の高官はこう言って降参し、そして処刑される。「いつまでも理性を保ちつづけることなど贅沢な望みだ」。「理性」が処刑された瞬間、ヘリウム・フラッシュが起こり・・・・。人類は全滅はしなかった。流浪を続ける。
これは、「「地球温暖化」はフェイクだ」をめぐる、たぶん「予言」である。


「ミクロ紀元」
太陽がまもなく短期間のスーパーフレアを起こし、それによっておよそ5%の質量が失われることがわかったのが、今から二万五千年前だった。地球は焼き尽くされ、そして次に平均気温零下百十度くらいまで寒冷化することがわかった。200年後人類は〈先駆者〉を宇宙に送り出した、移住できる惑星を探すために。しかし、その成果は「人類は孤独である」というのがわかっただけだった。地球時間で一万七千年後、地球からのメッセージが途絶えた。そして二万五千年後、〈先駆者〉は地球に帰還した。そこで見たものは・・・・。遺伝子操作して体積を十億分の一にしたミクロ人間だった。人類は生き延びていた。今や総人口は百八十億人。ミクロ人類の最高執務官はこう言った。「太陽スーパーフレアがなかったとしても、マクロ紀元は滅亡したわね。私たちの何億倍も資源を消費しないといけないんだから!」。
これは、全人類が先進国の人間と同じ生活水準で生活するには、すでに地球一個分では足りなくなってしまっている、ということへの指摘である。


「呑食者」
地球を丸ごと飲み込んで滅亡させる「呑食者」は、人類よりも一億六千万年前に栄えた恐竜の子孫だった。蟻の物語、幸せな家畜の物語・・・。「(貪食帝国に移住した人類は)青い空の下、一面に広がる美しい草原で・・・楽しそうに歌い、踊っている」「彼らには安楽な生活が保障されている。飼育に求められる最低限の条件だからな。そうでなければ肉質が落ちる。地球人は高級食材で、呑食帝国の上流階級だけが食べられる。」。呑食者は人類に向かってこう言う、「もう二度とモラルを語るな」
今地球上で人類に次いで「成功」しているのは、鶏、牛、豚、羊、犬、猫だとも言われる。「良心的」「進歩的」人類はそれらの飼育環境の劣悪さに心が痛み、その改善に力を尽くす。捕食者のいない広々とした放牧地で新鮮で美味しい食料を与えられた牛は、高級な食肉となり人類の食料となる。彼らは「生」を全うした、ことになるんだろうか?  人類至上主義のモラルってなんだ、と言う告発。


「呪い5.0」
数十年前にプログラミングされたコンピュータウィルス「呪い1.0」はたった一人のそんな大げさではない「悪意」か、あるいは単なる「悪戯」で、社会にほとんど顧みられることなく「潜伏」する。偶然の連鎖と、最後は酔っ払いの戯言=やはりそれもある意味「偶然」にすぎないのだけど、コンピュータウィルスに決定的に役割を与える。指示された命令は全市民の殺害。コンピュータに接続された地下鉄、自動車、ガス、食料、薬・・・・全てが殺人マシンに豹変する。

間違いなくもうすぐ訪れる、すべてのものがコンピュータネットワークに接続された社会。そこに潜むリスクを鮮やかにあぶり出す。現在でも、自動運転車が「乗っ取りれたら」・・・のは話はある。もうすでに、ネットワークのどこかで蠢めいている「悪意」が絶対ないと、誰が言い切れるのだろうか? 


「中国太陽」
資本主義になった中国が中国太陽をつくて、資本主義以前の中国が破壊した生態系を回復させる。これは、資本主義になりきれない現代中国への批判か。宇宙への進出、植民が資本主義的は成り立たない現在、それを目指し始めた中国は資本主義を超えた、との礼賛か。

「山」
「「そこに山があるなら、誰かが必ず登ってくる」そのとおり。登山とは、知的生命の本能だ。(中略) その欲求は、生存に必要なものではない」。地球人と異星人との会話とそこで語られるコア人の歴史は、知的好奇心は人間の本質であり、止めることのできない営為であることを主張する。「山」は「未知」である。コア人の岩盤探索はまるで大航海時代の、あるいは月探索競争時代の人類の歴史。
「生きる」よりも「登る」を選択するのが人類。生き延びるのは、人類ではなく個人。「もしいま、なにかを裏切ることで自分の命を救えるのであれば、フォン(馬に冫)は躊躇なく裏切るだろう」。技術や知識を制御することは結局できないのだ、という予言。結局、核は使われるし、人類の遺伝子は操作されるし、シンギュラリティは訪れてしまう、という予言。

これらの短編を通して、著者は人類の行く末を暗示する。本能である知的好奇心を止めることはできず、それは地球の破滅まで行かざるを得ない。「生きる」未来は「暗い」が彼の人類感だろうか?(2022年9月 記)