2024年12月31日火曜日

2024年に読んだ本 僕の「極私的」ベスト10

 2024年、僕は定年で10月の初めには仕事をほぼ辞め、その後にそう長くもない人生で9回目の引っ越しをした。ただ、それまでも隔週のペースで週末には新しい住処に通っていたので今年もまたたくさんの本を読んだ、ということにはならなかった。

 いつものように、2024年に出版された本ではなく、あくまで僕が2024年に読んだ本から。


 世界は変わってしまった。旅行者にとっては良くない方へ。

第1位 蔵前仁一「失われた旅を求めて」(旅行人)

 「1980〜90年代、バックパッカーが自由に旅ができた時代。それから世界は何を失い、どう変わってしまったのか」(帯のコピー)。

 決して、ノスタルジーということではなく、でも世界は変わってしまったんだなぁ、とつくづく思わせてしまう一冊。

 2000年代以降、自由に旅できるところは本当に減ってしまった。世界は安全ではなくなった。安全ではないところが多くなってしまった。旅行者にとって失われた旅。

「失われた」の一部は、それは「豊か」になったことによるものであり、僕らが残念・・いう類のものではないけど、もう二度と実際に見ることができないということでは、やっぱり少し残念なのである。あの時、行っておけばよかったと。

 世界が失くしてしまったものをしみじみと見入り、著者の言葉を聞きながら、今の世界は正しい歩みを続けているの考える。


 「学問は最高の遊びである」とは、広島大学のキャッチフレーズ。学問の楽しさを学者自身が発信する。サバクトビバッタの研究にお金を出せなくなるようなら、この国の科学は滅びていくことになるだろう。

第2位 前野ウルド浩太郎「バッタを倒すぜ アフリカで」(光文社)

 「バッタを倒しにアフリカへ」の続編。前作では、論文発表前だったことで研究内容の詳細には触れられていなかった。今回は研究成果を自慢しまくり(たくさんの受賞があるから、当然ではあるが)、そしてサイドストーリーも満載。

 モーリタニア、アメリカ、フランス、モロッコ、そして日本でサバクトビバッタの生態、婚活を追う。研究者は孤独ではなく、世界中の研究者と交流しながら、仮説を補強し、フィールドワークや研究室での結果を分析しする。論文の作成でもそうだ。

 科学者の生態がわかる本。著者みたいに文章を書く才能がない研究者たちも、著者同様世界中でたくさんの研究者と交流しながら成果を出そうともがいているんだろう。なかなか表に出ない研究者の生活や態度、苦悩を、著者は自分の研究を通してそれらを書くことで、研究者を代表した、と言えるだろう。

 前作ではなかりの印税が入ったようだ。そして、その使い道も素敵である。


 先日読んだばかりだけど、衝撃の書。日本の「闇」、あるいは人間の本質? を暴く怖い本です。

第3位 窪田新之助「対馬の海に沈む」(集英社)

 驚きの最終盤。どんなミステリーよりもミステリーな結末。日本社会の闇は深い。

 対馬のJAで神様、天皇と呼ばれていた男が車ごと海に飛び込んだ。彼はなぜ死ななければならなかったのか? 著者は JA共済を舞台におこる様々な不正、というよりも「闇」を暴いていく。それは、著者の前著「農協の闇」(現代新書)が描き出した闇の一つの具体的な噴出。

 ただ、執拗な、徹底した取材でそれは海に飛び込んだ男「だけ」の犯罪ではなかったという真実を暴いていく。対馬JA、彼によって共済加入した対馬の人々による共犯。みんなが「受益」者だった。対馬JAだけではない、JA共済、JA全体もまた「受益」者だった。そして、被害者は全国の他の共済加入者。それが著者の結論。
 しかし実際には、彼だけの犯罪とされ、JAや地域は被害者とみなされ、共犯者たちは組織の中で昇進し、地域の人々は普通に生活を営む。日本社会の闇をそこに見る。


 この本もまた、人間とは・・・・を考えさせられます。

第4位 デイヴィッド・グラン「絶海 英国船ウェイジャー号の地獄」(早川書房)

 1740年に250人の乗組員でイギリス・ポーツマスを出航したウェイジャー号は、当時の覇権国家スペインのガレオン船を拿捕し、金品を奪うことが目的だった。航海は熾烈を極め、当時まだ未知の病だった壊血病や伝染病に多くの乗組員が倒れ、そして壮絶な嵐の中で南アメリカ大陸最南端のホーン岬を回ったあたりでついに難波してしまう。

 後にウェイジャー島と呼ばれるようになる島に上陸した時には、乗員は145名になっていた。

 無人の荒涼とした島には何もなかった。飢えと裏切り、極限の状態の中で人肉食。極限の中で生き残るために軍紀を守ろうとする人、生き残るために上官に反旗を翻すもの。

 極限の状況の中での判断、行動・・・・凄まじい記録。人間は強い、のかもしれない。過酷すぎる状況でも生き延びる人間がいる。どれだけ過酷だったのか、それは本書を読んでいただいたほうがいい。生還したのは33名。

 上官に反旗を翻したグループと、軍紀を守ったグループのどちらもごく少数が生き延びた。ただ、ほんの少数の生き残りの多くは、どちらのグループも艦長や士官や士官候補や、つまり階級が上のものだった。

 18世紀英国の現実。


 この本を読むまで「ベーシックインカム」一択だと思っていました。こちらの方がいいのでは、と思い始めました。社会システムの改革がベーシックサービスの方向(改善)なのか、そうでないのか(改悪)で評価するのがいい。給食費の無償化は改善、学生の扶養控除の増額は改悪、大学無償化なら改善・・・などなど。

第5位 井手英策「ベーシックサービス 「貯蓄ゼロでも不安ゼロ」の社会(小学館)

 教育・医療・介護・障害者福祉をベーシックサービスとして無償化する。加えて、品位ある最低保障を実現して「貯蓄ゼロでも不安ゼロ」の社会を実現する。その理論と、実際の方法論を提供する。財源は消費税。16〜20%にすれば、ベーシックサービスを無償で提供できる社会が実現する。そうすると、将来の不安から解放され、将来のために貯蓄に回っていたお金が今を生きる、楽しむために使うことができるようになり、経済も活性化する。

 実際、北欧社会はそれを実現している。将来の不安、長生きするのがリスクの社会、チャレンジするのがリスクでしかない社会、息が詰まりそうな社会を変える処方箋。

 具体的な行動に移そう、というのが著者の提言。具体的な行動は簡単。政治を監視し、投票に行こう、ということ。


 この著者の冒険が今一番気になります。でも、探検家ってどうしてみんな「書ける」んだろう。

第6位 角幡唯介「地図なき山 日高山脈49日漂泊行」(新潮社)
 地図上にはもはや空白がなくなってしまった現在、新しい冒険、探検はどこにあるのか?  かつて「空白の5マイル」でチベットのツアンポー峡谷の空白を埋めてしまった著者の答えは、地図を持たない「登山」だった。著者にとって未知の山域である日高山脈を地図なしで漂泊した4回、都合49日の記録。

 チベットの峡谷や極北、辺境の冒険家である著者にして、2000メートル程度の日本の山域が地図がないだけで冒険のフィールドになってしまう。「人が生きるには未来予期が必要だ。未来予期こそ人間の第一の存在基盤である」のに、地図がないだけでその滝の向こうに何が広がっているかわからない状況は存在基盤が脅かされる怖れを抱くには十分だった。

 特に最初の漂泊は、著者のツアンポー峡谷の探検を彷彿とさせるもので読者はその「怖れ」を共有するものとなった。

 著者が後書きで書いているが、1回目の漂泊と2回目以降の漂泊の間には大きな断裂がある。2回目以降の漂泊はより山と身体が一体化し、読者は「怖れ」ではなく「楽しさ」を共有することになる。

 「怖れ」も「楽しさ」もページをめくる手が止められない。


 今年も本屋さんや書物をめぐる物語はいくつも読みました。その中でのベストはこれ。こんな本屋さんになれたらいいなぁ。

第7位 ファン・ボルム「ようこそ、ヒョナム洞書店へ」(集英社)
 本屋大賞 翻訳小説部門第1位。まるでその本屋さんがそこに存在しているうな小説。登場人物も皆、実在するかのよう。そして、読書論と人生論。

 ソウル市内のヒュナム洞に開店したその書店は、店主のヨンジュと、そこに居場所を求めて集まってくる人々とともにその地に根ざしていく。いろんな悩みや背景を持ったそこに集う人たちはその関係性の中で、答えを見つけていく。街にはこんな本屋さんが多分必要なんだと思う。

 本当にあればいいのに。

 「本は、なんというか、記憶に残るものではなくて、体に残るものだとよく思うんです。あるいは、記憶を超えたところにある記憶に残るのかもしれません。記憶に残っていないある文章が、ある物語が、選択の岐路に立った自分を後押ししてくれている気がするんです。何かを選択するとき、その根底にはたいてい自分がそれまで読んだ本があるということです。それらの本を全部覚えているわけではありません。でも私に影響を与えているんです。だから、記憶に執着しすぎる必要はないんじゃないでしょうか。」

 「ええ、幸せはそう遠くにあるんじゃない、ってことが言いたかったんです。幸せは、遠い過去とか、遠い未来にあるわけじゃなかったんです。すぐ目の前にあったんです。その日のビールのように」


 この国は生きづらい。シドニーに行く度に僕もそう思う。なんというか、空気が違うのだ。彼の地に着いた途端に、ホッとする。

第8位 朝日新聞取材班「ルポ若者流出」(朝日新聞出版)
 総務省のデータによると22年、23年に海外へ転出すると届け出て移住した日本人は15万人前後だそうだ。

 給与、労働時間、パワハラ、セクハラ、休日、子育て、教育、家族、結婚、多様性・・・ほとんど全ての指標で日本の「生きにくさ」は明確になっていて、それはたくさん報道されている通りにのだけど、若者、機動力のあるもはその解決策として海外を目指す。本書は海外に移住した若者たちのルポ。

 移住する理由の一つ一つが、「そうだよね」と納得。出生数の減少だけではなく、社会的流出もあって日本の人口は今後も減り続けるのでろう。
そして、「日本人が生きづらさを感じている社会に、外国人の方々が期待や憧れを持ってきてくれるとは思えません。・・・・「外国人に来てもらえればなんとかなる」というあまりにも楽観的で、驕りのあるシナリオは、もう成り立たないと思います」という福井県立大の佐々井教授の言葉は重い。

 若者の流出を追うことで、この国の問題、早急に解決しなければならない問題を明らかにする。


 ただ、世界はどこも生きづらくなりつつあるのかもしれません。

第9位 橘玲「世界はなぜ地獄になるのか」(小学館)

 「はじめに」でほぼ言い尽くされている。"リベラル"を「自分らしく生きたい」という価値観と定義すれば、「リベラルな政策によって格差や生きづらさを解消できる」は「大きな勘違い」で、「そのリベラル化によって格差が拡大し、社会が複雑化して生きづらくなっているのだから」という。そして「「反知性主義」「排外主義」「右傾化」で、一般的にポピュリズムと呼ばれるが、これはリベラリズムと敵対しているのではなく、リベラル化の必然的な帰結であり、その一部なのだ。--したがって、リベラルな勢力がポピュリズム(右傾化)といくら戦っても、打ち倒すことはできない。」「誰もが自分らしく生きられる社会」の帰結がキャンセルカルチャーの到来を招き、世界を地獄にする。

ということが、具体的に、そして論理的に書かれている。なるほど、そんな感じがする。

地獄を生き抜くための結論は「エビデンスを呈示できる専門分野では積極的に発言してフォローワーを集め、それ以外の領域では炎上リスクのない投稿(ネコの写真など)にとどめるのがいいかもしれない」「キャンセルの標的にされたときの甚大な(取り返しのつかない)損失を考えれば、これがほとんどのひとにとってもっとも合理的な選択になるのではないか。」


 この本も読んでも、僕は肉食をやめれません。いろんな人がいていいんだと思います。

第10位 ヘンリー・マンス「僕が肉を食べなくなったわけ」(築地書館)
「人間が動物のことを--すべての動物のことを考えたらどうなるだろう? 僕たちは、食べ物を手に入れる方法を、自然界の扱い方を、動物園の動物に対する態度を変えられるだうろか?」という著者は、それらの現場に出て、実態をレポートする。今この瞬間にも絶滅している動物がいること、温暖化による地球環境破壊、生態系が破壊されていっていること、そしてそれらを解決するためには行動を変えなければらないこと(その中には肉食をやめることも含まれているが、もちろんそれだけではない)を論理的に明確にしていく。そしてそれは多分「正しい」。

 著者は屠殺、酪農、海、ハンティグ、ヴィーガンレストラン、動物園、ペット・・・・それぞれの現場を決して十把ひとからげにはしない。でも、すべての動物を愛するのなら、行動を変えなければならないと結論づける。そして、私たちにできることの一番目に「肉を食べるのをやめる・・・良心的な農家さえ、家畜の身体を限界まで利用し、不必要な二酸化炭素を排出する。これは腐ったシステムなのだ・・・」をあげるのである。


 退職したし、2025年こそは成功雨読で行ってみよう。


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2024年12月30日月曜日

湯田温泉 「中也の詩」

  今日は広島から山口へ。瑠璃光寺五重塔は改修中で見ることができず(わかっていたこと、それでもあえて行ってみました)、湯田温泉へ。

 投宿したら、部屋にこの本が置いてありました。

「中也の詩」中原中也記念館

2024年12月29日日曜日

「対馬の海に沈む」

  僕の好きな冒険家、旅行者の多くがXで絶賛ていた本。一気読みでした。


窪田新之助「対馬の海に沈む」集英社 ISBN: 978-4-08-781761-4


 (ネタバレ)

 驚きの最終盤。どんなミステリーよりもミステリーな結末。日本社会の闇は深い。

 対馬のJAで神様、天皇と呼ばれていた男が車ごと海に飛び込んだ。彼はなぜ死ななければならなかったのか? 著者は JA共済を舞台におこる様々な不正、というよりも「闇」を暴いていく。それは、著者の前著「農協の闇」(現代新書)が描き出した闇の一つの具体的な噴出。

 ただ、執拗な、徹底した取材でそれは海に飛び込んだ男「だけ」の犯罪ではなかったという真実を暴いていく。対馬JA、彼によって共済加入した対馬の人々による共犯。みんなが「受益」者だった。対馬JAだけではない、JA共済、JA全体もまた「受益」者だった。そして、被害者は全国の他の共済加入者。それが著者の結論。

 しかし実際には、彼だけの犯罪とされ、JAや地域は被害者とみなされ、共犯者たちは組織の中で昇進し、地域の人々は普通に生活を営む。日本社会の闇をそこに見る。

2024年12月28日土曜日

首相が角川春樹に会った 「鈴木書店の成長と衰退」

 雨じゃないけど、終日読書。

  数日前、石破首相が角川春樹と会って書店振興策について話をしたという。書店振興なんてのは、お上が口を出すことではないだろう。危ない、危ない。

 お上にできることがあるとすれば、経済をよくし、残業をなくし、可処分所得を増やし、誰もが無償で高等教育までを受けることができるようにすること。フェイクニュースや陰謀論に対抗できるリテラシーを身につけられるようにすること。そうすれば、きっと本を読むようになる。

小泉孝「鈴木書店の成長と衰退」論創社 ISBN: 978-4846013608

 僕も大変お世話になった鈴木書店の創業から倒産まで。僕がお世話になっていた80年代から90年代前半、それでも結構な取引があったと思うんだけど、鈴木書店の全盛期は60年代後半だったという。80年代にはもう既に後退期にはいっていた。そんな感じはしなかったけど、最盛期にはマル経の強い大学には大月書店の箱入りの「資本論」セットが5〜600セット納品していた、というような話しを聞くと、確かに後退期にはいっていたんだろうなーとも思う。そして、今では、たぶん1セットも売れていないだろう。岩波書店の「日本古典文学大系」は30万セット売れたという。ところが、今でている新版は3000部らしい。1/100である。
 そんな時代だった、と片付けることは出来ない。つまるところ、鈴木書店の衰退、倒産は、教養を蔑ろにしてしまったこの国の施策の結果だったんだと思う。それは今に続くこの国の危機。
 書籍業界の半世紀を俯瞰できる良書。


2024年12月27日金曜日

正しい道具を使うことはとても重要 今年最後の薪活  「冬の旅 ザンスカール、最果ての谷へ」

  地域の皆さんで、もちろん僕も参加して、12月1日に我が家の上の集会所の梅の剪定しました。その枝をストーブの薪にと、いただきました。全部です。梅の木2本分ですが、とんでもない量でした。で、ぼちぼちと片付けをしていました。小枝は不要なので、とりあえず小枝を切って、薪にする枝だけを分けます。乾燥させて、再来年のシーズンには使えるかなぁ、という感じ。 


こんな感じ、下は、さらにチェンソーでカットする分です

切り外した小枝は
とりあえず、庭の片隅に積み上げた。乾燥したら、粉々になるかな?

この小枝を切る作業、最初はこの鋏を使っていました。


これ、普通に園芸用。5mm位の枝でもきつい。親指の付け根あたりが痛くなります。したがって、遅々として作業は進みませんでした。埒があかないので、今日ホームセンター・ナンバで剪定用の鋏を買いました。
大きさはあまり変わりませんが、軽い力で2cmの枝まで切れます。このおかげで一気に捗りました。正しい道具を
使うって、とても重要なことですね。時間はたっぷりあるとはいえ、楽にやりたいものです。



 今夜から日本列島は大寒波に覆われるらしい。明日の朝は雪かき、そして道路も凍るんだろう。世界には、冬に川が凍ることで「道」ができる土地がある。凍らなければ、孤立した集落。そこに生きている人々への旅。
山本高樹「冬の旅 ザンスカール、最果ての谷へ」雷鳥社 ISBN:978-4844137658

 昔、インドを旅した時、デリーでよくした話は、「これからどこに行く?」「スリナガルかレーか・・、とにかく涼しいところへ」。結局僕はどちらにも行かなかったけど、北インドは今でも憧れている。

 レーから旅の入り口バクラ・バオまでは車で数時間。道はそこで途絶え、急峻な地形に阻まれて冬の間はその先に行くことはできない。陸の孤島。ただ、厳冬の時期、ザンスカール川が凍ってしまう時期を除いては。

 川の上の氷の道を地元ではチャダルという。そのチャダルを辿ってヒマラヤの麓、チベット仏教を信仰する人々が暮らす、ザンスカールという土地をの最深部までを巡る。土地の人々の家、多くはガイドの親戚の家だが、に泊まりながら、その土地で暮らす人々の冬の生活、信仰がだんだんと描かれる。
 旅の途中から考えるのは、「ミツェ(人生)」のこと。「あれほどまでに強大な自然に囲まれた土地で、わずかな畑と家畜とともにつましく暮らす人生に、意味はあるのか。辿り着くことさえ困難な山奥のゴンパで、瞑想と仏への祈りにすべてを捧げる僧侶たちの人生に、意味はあるのか。」。静かに、著者は答えを見つける。

 この旅の最中もレーと繋がる道路の建設が進んでいた。今頃はもう一年中外界とつながっていて、この冬の旅も、ザンスカールの冬の生活も完全に過去のものとなっているかもしれない。

2024年12月26日木曜日

岡山だけど鳥取寄り 冬はどうやら晴れないらしい 「未来の年表」

  晴れの国、岡山! なんだけど、ここ美作はどちらかというと鳥取寄り。鳥取の冬は晴れることはほとんどなく、冬の岡山のほとんど「晴れ」とは正反対。新聞の天気予報を見ると岡山はいつも晴れ、鳥取は曇りか雨か雪。晴れマークを見ることはほとんどありません。その対比に思わず笑ってしまいます。

 12月13日に最後の「開墾」をやった後、土が乾燥することがなく、小石などを取り除く作業は春までは無理と判断、予定地の半分は石を残したまま米糠と籾殻でとりあえず土作りをすることに。


 春になったら、小石を取り除こう。GWに夏野菜を植える・・・・・くらいのスケジュールでなんとかなるだろう。


 今年2024年の出生数が70万人を下回るという報道があった。減少のスピードが加速度的に速くなっている。1970年代には200万人を超えている時もあったのに。半世紀で1/3になってしまった。この本は7年前の出版だけど、その予測を上回るスピードで出生数が減っており、ここに書かれた未来はもっと早くやってきそうである。

河合雅司「未来の年表」講談社現代新書 ISBN:978-4062884310

 2024年、全国民の3人に1人が65歳以上。2033年、3戸に1戸が空き家に。人口は40年後には9,000万人を下回り、100年も経たないうちに5,000万人を下回る。これらは、もうずっと前からわかりきっていた事。20年後の20歳の人口は昨年生まれた子供の数より多くなる事はないのだから。何もしなければ、日本はこの本の年表通りになる。今さら、出生率が5とか6になることはない。確実に親の世代よりもこの世代が少なくなるのだから、人口増の展望はない。
 今の政治には希望はない。絶望だけ。



2024年12月25日水曜日

vs.ネズミ まだまだ続く戦い  「聖なるズー」

  クリスマスイブの聖夜、ネズミのカリカリ音がしたらしい。僕は聞いていない。ここのところ、超音波撃退機がおそらく効いていて、最近は静かだなぁと思っていたのだけど。

そこで、超音波撃退機をカインズで買ってきて、天井に追加。2台体制で撃退を目指す。

 ついでに、鼠取りシートをダイソーで買って、それも設置。これは都合4枚になる。1週間以上前に設置して鼠取りシートにはまだかかっていない。

 最近は、天井の登って移動することにも躊躇がなくなってしまった。慣れるとは、こういうことを言うんだろうなぁ。でも、ネズミには慣れない。慣れたくない。もっとも、昨日の福島のニュースのように、家に帰ったら熊がこたつに入っていた・・・・・なんてのに比べれば、ネズミなんて平和なものだって思えなくもないけど。


 この本はある意味衝撃でした。人間と動物の関係。

濱野ちひろ「聖なるズー」集英社 ISBN: 978-4087816839

 人間って不思議で面白いし、全部受け止めて、受け入れてしまっていいと思う。何も否定しなくていいと思う。多分、人間は進化の過程で脳がそのように「進化」してきたのだろう。いろんな人がいるものだ、ということ。それでいい。

 ドイツの犬や馬をパートナーとする動物性愛者「ズー」の話である。自ら性暴力の被害者であった著者は、ズーたちと寝食を共にしながら、会話やインタビューを重ね、行動を観察し、愛やセックスや暴力について考えていく。

 人間以外の動物と対等である、ということは可能なのか。異種間での対等な関係性とは、人間の解釈に過ぎないのではないか、という疑問もあるし、本当のところは知れない。ただ、人間以外の動物の異種間での対等な、あるいは恋愛のような関係性も実際には観察されることもあるわけだし、人間と動物の間であっても可能なのかもしれない。しかし、動物は語らない。私たちは、自分以外のことについては、基本的には言葉でもってしか認知し得ない。

 本書を通じて感じること、それは人間というのは、とてつもなく多様であって、基本的にそれでいいということ。それがいいということ。
 自分を試される本、だと思う。


2024年12月24日火曜日

人感センサーライト設置  「亜鉛の少年たち」

  月のない夜は真っ暗です。晴れていれば、素晴らしい星空を楽しむことができます。ただ、たとえば日が暮れてから帰宅した場合、車を止めてから玄関まで真っ暗です。曇りだと月明かりも星明かりもなくて、足元も見えません。

 そこでやっと、人感センサー付きのソーラーライトを設置しました。買ったのはいいけど、使う前に8時間の太陽による充電・・・のハードルが高くて、すぐに設置といかないあたりが、鳥取寄りの岡山北部という土地の宿命か。



 韓国やウクライナからの報道によると、北朝鮮兵の死者が数百人になっているという。どんな棺で帰るんだろうか? 帰らないんだろうか? 
 これは、アフガニスタンを侵略したソ連の少年と家族の話。どちらも大義のない戦争。

スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ「亜鉛の少年たち」岩波書店 ISBN: 9784000613033


 アフガン戦争の真実。ソ連政権の巧みなプロパガンダにより徴兵された少年たちは、亜鉛の棺に入れられて帰還した。母親たちは、その棺を開けることは許されなかった。
 アフガン帰還兵、戦没者の母親たちへの多くのインタビューから、戦場で何が起こっていて、人間はどのように破壊されていくのかが明らかにされる。

 この著書が広く世界中で読まれているのは、アフガン戦争の真実を暴いた、ということよりも、「戦争」「戦場」の持つ普遍的な悍ましさ、戦争へ駆り立てる権力者の欺瞞もまた普遍的であることを暴いたと言うことだろう。どんな戦争も、ベトナム戦争も、今起こっているウクライナでの戦争も、そしてかつての太平洋戦争も、同じであろう。

 今回増補された、この著書を巡る裁判の顛末。権力の恐ろしさを実感する。



2024年12月23日月曜日

薪の整理  「世にも美しい数学入門」

  毎日毎日、何かあるわけじゃないですよね。何もない、というのがデフォルトなはず。今日は、12月初めに地域の共同作業所の梅の剪定をした時にいただいた枝の整理。1/3くらいできただろうか? ボチボチ、春までにやろうと思う。


 一日遅れたけど、昨日12月22日はインドでは「数学の日」として、天才数学者シュリニヴァーサ・ラマヌジャンを讃えているそう。数学の小説といえば「博士の愛した数式」は最高に面白かったのですが、この本はその著者と数学者の対談本。

藤原正彦/小川洋子「世にも美しい数学入門」ちくまプリマー新書 ISBN:978-4480687111

 改めて数学の美しさに感動。オイラーの公式eπi+1=0なんて、何の関係もない自然数の底を円周率×虚数乗すると-1になるなんて、まったくふしぎというか美しいというか、eもπも無限に続く数なのにそれが-1になってしまう、そんな不思議がいっぱいの本。「博士の愛した数式」を読んだ人は読まずにいられない。素数って面白いし、世界は案外単純かもしれないと思わせる本。この美しさを知れば、複雑な、あるいは単純に説明できないものはそれだけで間違っている、と思わせる。



2024年12月22日日曜日

黄色いライオンミッケ!!   「いつも旅のなか」

 美作・湯郷温泉で開始さされているイベント「黄色いライオンミッケ!!」に参加。

 → こちら




古い本を今読むと、懐かしい旅の記憶が呼び覚まされます。四半世紀以上前の旅の記憶。
角田光代「いつも旅のなか」東京カレンダー ISBN: 978-4901976220

 2005年の本。初出は2002年〜2004年に雑誌「生本」連載だから、旅行の多くは1990年代だろうか? 僕がバックパッカーしていたのが80年代の終わりから2000年代の始め頃なので多分同じ頃。現在(2024年)と違うその頃の空気が行間から染み出してきて、行ったことのない土地の話でさえ、懐かしく感じる。
 
 一人旅、または編集者などとのごく少数の旅。パックではない自由な旅。ほぼバックパッカー。ロシア、スリランカ、バリ、ラオス、マレーシア、ベトナム、台湾、中国、韓国、スペイン、イタリア、キューバ・・・・・。夜な夜な酒を飲み、地元の人で賑合う食堂で食べ、脱力の旅が続く。それぞれの土地の旅を追体験して、気持ちいい。

 それにしても四半世紀も経って、世界はずいぶん変わったなぁ。


2024年12月21日土曜日

難しいなぁ 薪ストーブ  「タックス・イーター」

 今朝も火入れはまあそこそこうまく行ったんだけど、そのあとがずっと不安定で、煤が出たり、温度が下がったり・・・で、一日中ストーブの前で過ごす。何も出来なかった。

 結局、多分水分の多い薪だったんだろう。でも、いつもの薪棚からいつものように持ってきているだけなんですけどね。わからない・・・・・・。またリビングは灰、煤だらけになってしまった。再開2日目にしてこんな感じ。困った。灰と煤を吸って、胸が苦しい・・・かも。


 来年度の税制改革で、iDeCoの 所得税からの控除額を増加させるらしい。老後は個人でなんとかしろということなんだろうけど、なんとも出来ない人はどうするんだろう?  その減税は正しいのだろうか? iDeCoで運用できる程度に収入に余裕がある人には減税、そうでない方は何もない。税の再分配機能が毀損しているような気がするんだけど。

志賀櫻「タックス・イーター」岩波新書 ISBN:978-4004315179

 現在の財政赤字のいったいどのくらいが、タックス・イーターの口に入り、全くの無駄になったのだろうか。本書には「絶望」しかない。この国を支配している政治家、官僚と資本家たち。税の再分配こそが政治・行政の最も重要な仕事のはずが、実際には中間層から「巻き上げた」税金は、政治家、官僚と資本家を富ませるだけであった、と本書はいう。政治家と官僚、資本家が税金を食べていく、その手口は凄まじいばかりに多様で、ある意味税制、予算はそのためのつくられている。このことを知ると、税制や予算に関するニュースが全然別の見え方をしてくる。

 国民は怒らなければならない。しかし、新聞や出版が軽減税率(この場合、新聞や出版はタックス・イーターそのものになる)を求めるような社会では、メディアがそのことを追求することは決してないのだろう。


2024年12月20日金曜日

薪活 久し振りに薪ストーブ復活  「パレスチナが見たい」

  昨夕18時頃に、お世話になっている業者さんに来ていただいて薪ストーブの煙逆流問題について点検していただいた。屋内、屋外の煙突を確認していただいたが問題なし。結局、煙突冷えすぎ問題、ということに。冷えすぎていて、上昇気流が途中で押さえつけられて逆流する、煙が抜ききれないということ。このところ、寒かったからなぁ。

 対策は煙突を熱するしかない、ということで18時30分頃から室内に煙が逆流することも厭わずガンガン燃やしていただきました。30分くらいで正しく上昇気流が起こり、逆流はなくなりました。そのあと、22時頃に最後の薪を投入してお休み。

 勝負の今朝、6時前から火起こし。ストーブはまだほのかに暖かさが残っていました。多分煙突も冷え切ってはいないだろう・・・。少し室内は煙ったけど、なんとか1時間くらいで安定した燃焼になりました。やれやれ。今(17時30分頃)も燃やし続けています。今日も22時頃まで。とても暖かく、幸せ。


 先日離れから持って来た薪が少し長くてストーブに入らないので、チェンソーで30cm程度に切る。そして、薪棚に収めました。

下の段の薪を切って、上の段に収納しました




ハマスとイスラエルの停戦合意がまとまりそうだという報道。今度こそそうなって欲しいけど、イスラエルはわからない。

これは、20年以上前の本だけど、まるで今のことのよう。それほど変わっていない、というか繰り返される。

森沢典子「パレスチナが見たい」阪急コミュニケーションズ ISBN:978-4484022178

 2002年春以降、9.11に悪乗りしたイスラエル・シャロン政権の野蛮。著者はフレネ教育を実践したいた普通の市民。広河隆一と知り合いだったりするから決して「普通」ではないかもしれないが、職業的なジャーナリストではない。

西岸もガザも、自治区の現状はイスラエルの圧倒的な軍事力に蹂躙されている。町も村も難民キャンプも破壊され、虐殺され、男たちは連行される。多分世界中の人たちは、知らない。パレスチナというと「自爆テロ」であり、イスラエルが被害者である・・そんな報道が一般的なのである。

イスラエルのやっていることは多分国家によるテロである。

それでもパレスチナの人々はユダヤ人に対して憎しみを抱いているわけではない。よき隣人として暮らしていこうと考えているのだ。ユダヤ人はどうやらパレスチナ人との共存を望んでいないようであるが。

「知る」ことが重要である。パレスチナの人々は言う「無反応でいるということ、無関心であるということ、無視されつづけるということは、軍事攻撃を受けるのと同じように私たちを苦しめ続けます」

2024年12月19日木曜日

年賀状の作成 今年も継続中! 「「断熱」が日本を救う 健康、経済、省エネの切り札」

  天気予報は外れて、今朝は雪はなかった。終日、時々雪が舞ったりしていたけど積もることもなく・・・よかった。外は寒かった。

 こんな日は、年賀状作成。世の中は「年賀状じまい」がトレンドのようだけど、我が家はまだ年賀状を出します。今回は、引越しのお知らせも兼ねて。

 お正月に年賀状をいただくのは嬉しいものです。


 我が家のリビングと寝室、家事室は2重サッシになっています。断熱効果はやはり大きく、今のところ朝起きた時にリビングが10℃を下回っていることはありません。大体13〜14℃くらいあります。外が氷点下になっていてもです。以前の、東広島の家は朝10℃を下回るのはよくあることでした。0℃近くになることもありました。

高橋真樹「「断熱」が日本を救う」集英社新書 ISBN: 978-4087212976

 ずっと日本の家は「寒い」って思っていた。それは仕方のないことなんだと思っていた。

 でも、実際はそうではないことをこの本で知る。日本では最高レベルの断熱性能でも、ヨーロッパなどの先進国から見たら違法レベルに酷いものだと。寒いところに住んでいる世界中の人たちは、ずっと経済的に、ずっと暖かい家に住んでいるという現実。そして、そのことで日本の資産が数百兆円の規模で棄損していること。ただ単に、日本の為政者と産業界の怠慢、あるいは酷すぎる意思。

 僕たちは、もっと安く、もっと暖かく寒い冬を過ごすことができる。もっと安く、もっと涼しく暑い夏を過ごすことができるのだ。

 日本の現状と、個人でそのことを変えるノウハウがたくさん紹介されている。快適に過ごせるように、リフォームしよう・・・。個人の快適な生活を手に入れることが、地球沸騰化阻止へも繋がる。「断熱」しよう、という本。


2024年12月18日水曜日

薪棚の整理 「日ソ戦争」

  今晩から大雪になるという予報もあって、薪棚を整理する。ストーブを使い始めて1ヶ月以上が過ぎて(最近は使えていない、明日メンテナンスに来ていただく予定)、薪棚の一段が空いてしまった。


 離れの下にストックしてある薪をそのスペースへ移動させました。


 その後、上の段にある長〜い薪を、ストーブに入る大きさにチェーソーでカット。でもこれは時間切れで、1/5くらいしか出来なかった。長すぎて、薪棚の屋根からはみ出していて、雪が積もると、溶けるときに水が薪にかかってしまう。なんとかしたかったけど時間切れ。仕方ない。


 明日未明からのどのくらい雪が積もるのか・・・・・少し恐怖である。


 
 ウクライナではまだ戦争が続いている。開戦当初のロシア軍によるブチャでの虐殺などの悲惨を、この本の中のソ連兵の行為についての描写で思い出した。
麻田雅文「日ソ戦争」中公新書 ISBN: 9784121027986

 日本が沖縄を捨て石にし、本土決戦だ! などと無謀なことを計画しているなか、英米やソ連はすでに第2次世界大戦後の世界を見据えた戦略を進めていていた。
 米ソは共通の敵、日本を降伏させるために協力しながら、互いに信頼することなく、戦後の世界の支配者になるための策略をめぐらしていた結果が、玉音放送後も戦闘が続き、多くの非戦闘員が殺される事態を引き起こした。

 なぜ日ソ戦争が起こったのか、どんな戦いだったのか、日本はどう戦って、ソ連はどう戦ったのか。北方領土はなぜ占領されたのか。シベリア抑留はどうして始まったのか。アメリカはどう関わったのか? 
 北海道がソ連に分割占領されなかったのも、北方領土がソ連に占領されたのも、千島列島を全部占領したのも、ソ連がヨーロッパでとんでもなく大きな損害を被ったことと、アメリカ(連合国)の戦争の終わらせ方との関係性の中で説明される。

 ロシアが保有する関東軍の文書など、新資料を駆使し日ソ戦争の実態に迫っていく。




2024年12月17日火曜日

湯郷温泉 「永生与窯(とおとがま)」で手捻り陶芸体験 「猫の都イスタンブールに住んでみた」

  今日は湯郷温泉の永生与窯で手捻りの陶芸体験。備前焼のフリーカップを作る。焼き上がりは、約半年後とのこと。出来たって連絡が来る頃には忘れているかもしれない。この窯、「とおとがま」と読みます。読めませんよね。

 

作成中。指の関節が痛くなります。

 体験陶芸からの帰り道、新車を買いました。


 先日から読んでいた本。我が家には、猫用の玄関がリビングにあります。前のオーナーさんは猫を飼っていたのでしょう。

アジアねこ散歩「猫の都シスタンブールに住んでみた」ハーパーコリンズ・ジャパン ISBN:9784596992864

 僕がイスタンブールに行ったのはもう30年くらい前。その時、この街が猫の都だって話は聞いたことがなかった、と思う。撮った写真にも猫は写っていない。

 本書によると、「2004年に動物愛護法が制定され・・・現在では、猫だけではなく全ての動物を"イスタンブール市民"として扱っている」のだそうだ。

 街角でも、駅の改札でも、Cafe でも、レストランでも、本屋さんでも、もちろん絨毯屋さんや公園でも、街に一歩出れば"彼ら"に会えるらしい。彼らとの遭遇と、そのとても素敵な写真がたくさん。

 猫好きにはたまらないフォトエッセイ集。これを持って、イスタンブールの猫に会いに行きたい!


2024年12月16日月曜日

薪ストーブが・・・・・・  「植物はすごい」

  今朝も薪ストーブ「失敗」。このところ、うまく上昇気流が発生しなくて、煙が室内に逆流してしまう。煤も舞ってしまう。失敗するたびにYouTubeなどで原因と対策を調べて、やってみるのだけど。最初の1ヶ月はうまく行っていたのに・・・原因がわからない。あれは、ビギナーズラックだったのか?  困ったなぁ。


 今年の春から植物のすごい! を実感している。特にその生命力の強さ、成長の速さなど驚異的なんだけど、この本はもっともっと植物のすごいが満載。

田中修「植物はすごい」中公新書 ISBN:9784121021748


 植物はすごい! 自分では動けないけど、その生き残り戦略は動物となんら変わることなくすごい。

 植物は水と空気中の二酸化炭素と太陽光でブドウ糖やデンプンを作っているわけだけど、それは動物には絶対にできないことだし、人間も今のところどんなにコストをかけても、それはできないこと。植物はそれだけではなく、アミノ酸も脂肪もビタミンも成長に必要なものは全部自ら作っている。これはすごい!

 植物のすごい! が満載の本。
少しくらいなら動物に食べられてもいいように進化し、あるいは一定程度は動物に食べられるように進化したり、逆に食べられたいないものは渋みや辛みを持ったり、猛烈な毒を持つように進化したり。
熱中症にならないために自分の体を冷やす冷却能力を持ったり、寒さに耐えるために体内の糖分を増やしたり、ロゼットという形態を得たり、地下茎を形成したり・・・とにかくすごい。

 これだけすごいと、実は植物にも意識や知能があるんじゃないか・・・とさえ思ってくる。でも、それは違う。植物はそんなもの必要ないよ、という進化をしてきたんだなぁ。生き延びるや遺伝子を残すということに関しては意識や知能の有無が上位にあるってことではなく、種の戦略に過ぎないんだってことなんだろう。植物はすごい!


2024年12月15日日曜日

薪窯パン「ききつち」 「里山ビジネス」

  週2回しか営業していない、自家製天然酵母と薪を使った石窯パン屋「ききつち」さんへ。自宅から約30分、こんなところに集落があるんだ、というような場所に可愛いお店を見つけました。


 開店してからもう9年とのこと。僕たちがいるちょっとの間にも別のお客さんが車でやってきた。商品に力があれば、場所は関係ない、ということか。素敵なお店でした。


vs.ネズミ 第2ラウンドは →こちら


 集落の中にすごく馴染んでいました。地域を変えていくんでしょうか。


玉村豊男「里山ビジネス」集英社新書 ISBN: 978-4087204483

 里山でワイナリーと付属するレストランを開設。特段の準備をしたわけではなく、事業計画があるわけでもなく・・・・しかし、予想以上にお客様が来た。そして、村が変わり始めた。

2024年12月14日土曜日

初雪 初積雪そして 雪かき 「ベーシック・インカム入門」

  初雪、初積雪です。

 雪かきからのスタートです。雪かきの後、汗ばんでいました。

 今日の様子は→ こちら



 103万円の壁の議論はたくさんすればいいと思う。ただ、どんな社会にしたのか、ということについてもっともっと議論して欲しい。目の前のことではなく、5年後、10年後、30年後にどんな社会になっているといいのか、ということ。

 大学生にもっと働け、という社会はおかしくないだろうか?  高額医療の負担を増額する社会は安心して過ごせるのだろうか?  年金だけで生活できないから、iDeCoやNISAで自分で備えなさいというのは、全員が安心して老後を迎えられる社会だろうか?

 誰もが弱者になりうるということを想像できていないのかもしれません。

 ベーシックインカムやベーシックサービスについて、決して現実不可能ではないことの実証は実はたくさんあります。

山森亮「ベーシック・インカム入門」光文社新書 ISBN: 978-4334034924

 ベーシックインカムは「すべての個人が無条件で生活に必要な所得への権利を持つ」というもので、本書によると
 1.個人に対して、どのような状況におかれているかにかかわりなく無条件に給付される。
 2.ベーシック・インカム給付は課税されず、それ以外の所得はすべて課税される。
 3.望ましい給付水準は、尊厳もって生き、実際の生活において選択肢を保障するものでなくてはならない。その水準は貧困線と同じかそれ以上として表すことができるかもしれないし、「適切な」生活保護基準と同等、あるいは平均賃金の何割、といった表現になるかもしれない。
 というものである。

 現在の生活保護などと決定的に異なるのは「世帯や世帯主に支払われるのではなく個々人に支払われる」「資力調査なしに、全員に支払われる」「稼働能力調査なしに支払われる」「毎月ないし毎週といった定期的な支払い」となることである。

 基礎年金や雇用保険、生活保護などは廃止され、すべてベーシックインカムに置き換わることになる。

 この根拠は
「私たちが現在享受している社会の冨が、現在の私たちの労働からだけではなく、過去の世代の労働の遺産からもなりたっているとすれば、その分は私たち全てが平等に継承できるものではないのか」というものであり、「例えば私たちは、この地球に等しく生れ落ちたという点で平等であるなら、一定の土地を平等に与えられなくてはならない」というものである。「その土地が一部の私有に任されていることの補償としてベーシックインカムを正当化する」。

 このことによって、ホームレスやワーキングプアは完全になくなるし、おそらく老後の生活の問題もなくなり、将来に展望が持て、したがって個人消費は活発になり、人々は明るく生きることになるだろう。

 「働かざる者、食うべからず」とか「働く気のないものにも給付するのか」とか「お金持ちに給付する必要があるのか」とか、そういう疑問にも本書は丁寧に回答していく。




2024年12月13日金曜日

なんちゃってファームの開墾は半分未満・・土づくり 「民主主義とは何か」

  少しでも雨が降ると滞ってしまう「開墾」。3月の植え付けに間に合うように、予定の半分未満だけど土づくりを開始しました。

 → こちらです

米糠と籾殻を撒いたところ


 民主主義の危機だって、アメリカや韓国の状況を見ているとそう思う。日本だって同じようにひどい状況だったけど、与党が総選挙で負けて、少しはマシになったのかも知れない。

 民主主義ってとても面倒なものだけど、その面倒さが嫌いで、好き勝手やりたい権力から拒否された学者の本。

宇野重規「民主主義とは何か」講談社現代新書 ISBN:978-4065212950

 古代ギリシアから民主主義の歴史を辿る。古代ギリシア時代に理想を見るのでなく、今もまだ民主主義は進歩の過程にある。ただ、今知られている中では、たぶん民主主義が最も優れた制度、あるいは精神であって、従って我々は民主主義を鍛えていくしかない。
「第一に「公開による透明性」です。古代ギリシアで成立した「政治」とは、公共の議論を通じて意思決定を行うことへのしんねんでした。力による強制でもなければ、利益による誘導でもなく、あくまで言葉を通じて説得し、納得した上で決定に従いたい。これこそが、自由な人間にとって何よりも大切であるという理念を、現代に生きる私たちもまた共にしています。そのためにも、情報の公開やオープンデータはもちろん、政策決定過程をより透明度の高いものにしていく必要があります。」
こんなことを書く学者だから、日本学術会議への任命を拒否されるのでしょうか?


2024年12月12日木曜日

蔵の本屋さん、床が完成しました 「本屋の現在地」

  先日の日曜日、昨日の水曜日になんと齡88の義父に来ていただいて、リフォーしていただきました。今日、片付けして、掃除して完成!

 床のリフォームは→こちら


さぁ、次の工程 棚作りへ進みます。


 日本中に素敵な本屋さんがあります。この本には、中国地方の素敵な本屋さんがたくさん掲載されています。本を片手に本屋さん巡りしたい。こんなふうにZINEに注目されるような本屋さんができればいいけど。


広島 本屋通り実行委員会「本屋の現在地」広島蔦屋書店

 かつて、広島本通りにはたくさんの書店があった。それは僕の記憶にもある。しかし今、書店は一つも無くなった。

 広島 蔦屋書店の企画。広島の書店員との座談会、広島を中心に中四国の独立系書店の店主への取材。広島の書店の現在地を探り、未来を探す。

 独立系書店は面白い。たくさんの書店、どれも行ってみたいな。

 でも、書店を巡る環境、現在地は相当に厳しい。





2024年12月10日火曜日

枯葉と雑草と米糠で堆肥作り 「ある日、カルカッタ」

  今日の薪ストーブは最悪。原因はよくわからないけど、黒煙が吹き出し、部屋中に煤をばら撒いてしまった。ストーブの窓も真っ黒に。少しずつ経験して行かなければならないんだけど、トラウマになりそう。

 庭で枯葉と雑草と米糠のミルフィーユ。堆肥作り。

https://ameblo.jp/midnight522express/entry-12878179908.html


 午後からは美作中央図書館へ。これは、前回借りた本。

俵万智「ある日、カルカッタ」新潮社

 2001年の本。

 カルカッタ、バリ、インド、マニラ、ラスベガス・・・・。どれも、誰かに設定された旅について行く旅。

 いくつかは行ったことのある街。古い紀行だけに、行った時期も近いかもしれない。カルカッタのマザー・テレサの「死を待つ人々の家」は僕がインドを旅した時に知り合った日本人の何人かはそこを目指したり、あるいは滞在した後だったりした。僕は行っていないけど。

 ラスベガスのカジノは引き込まれてしまった。僕がラスベガスに行ったのは1990年代の中頃。英語ができない僕はスロットマシンで遊ぶだけだったけど、少ないお金で長い時間楽しめたし、お酒は飲み放題だし、楽しかった記憶だけが残っている。負けたけど。
著者も多くはない資金で、ルーレットやブラックジャックを楽しむ。これは、一緒に行った連れの賭けだけど、ルーレットで赤が10回以上続いている局面、沢木耕太郎「深夜特急」のマカオの場末のカジノでの大小の場面を思い出した。
連れの賭け方はすごい。著者の賭け方とは桁が2桁違う。その結果が、「次回からは電話一本のご予約で、スイートルームをご用意してお待ちもうしあげております。もちろん、ホテル内でのご飲食は全てご自由に・・・・」って、どれだけ賭ければそんなVIP待遇になるんだめうか、羨ましい限りである。知らない世界を覗いた・・という感じ。ラスベガスは今でもそうなんだろうか?

 誰かに連れて行かれる旅は、楽そうでいいなぁ、とも思う。


2024年12月9日月曜日

晴耕雨読 「ソフィアの歌」

  昨日の霙まじりの雨のおかげで、今日は外作業はできない。なので、薪ストーブの前で、ほぼ終日読書。

 午後、業者さんに来ていただいてトイレの手洗いの修理。引っ越し以来使えていなかった。随分と時間がかかった。やれやれ。

 10月の佐賀への旅で武雄市立図書館に立ち寄ったときに、「五木寛之全紀行」(東京書籍)を見つけて、パラパラと立ち読み。「青年は荒野をめざす」を読んだ時の興奮を思い出して、また五木寛之の紀行を読みたくなった。

 そこで、今日は美作市中央図書館で借りたこの本を一気読み。

五木寛之「ソフィアの歌」新潮社 ISBN: 9784103017240

 ソビエト崩壊後のサンクトペテルブルク。「北槎聞略」大黒屋光太夫のロシア漂流に出てくる「ソフィアの歌」を巡る旅。

 30年前の混乱したロシア社会を生き抜こうとしている闇両替の少年たちや、十字監獄を前に立ち尽くす人々の様子はもう歴史の彼方、という感じだろうか。

 「ソフィアの歌」の変遷を探る中で、当時のロシアとウクライナの関係が描かれる。その30年後にロシアがウクライナへ侵攻することなど想像もできなかっただろう。しかし、その萌芽は大黒屋光太夫のロシア漂流の頃からことを示唆している、そんな気がした。

 「おろしや国酔夢譚」を再読したくなった。


2024年12月8日日曜日

義父は大工さん 蔵の本屋さんの床のリフォーム 「シリア拘束 安田純平の40か月」

  今日も寒い。朝から薪ストーブ。昼間に霙が降る。


 義父は大工さん。寒い中来ていただいて、蔵の本屋さんの床のリフォームをやっていただく。コンパネの上に、無垢の杉板。僕は、出来の良くない助手。手際の良さ、大工さんの知恵、技術に感動を覚えながら、ほとんどずっと「見て」いた。2/3位済んだかな。




 
 シリアのアサド政権が崩壊したの報。長い長い内戦の最中にはこんなこともあった。

安田純平「シリア拘束」扶桑社 ISBN: 978-4594081331

 40か月である。
 40か月もの間、シリアで拘束され続けたジャーナリストの記者会見録である。なによりも40か月もの拘束、凄まじい暴力に耐え切れる精神性、に驚嘆する。たぶんそれは、彼の知識と教養によるものなんだろう。それが「生きる」ことに力を与えた。絶望しない力は、知性に宿る。それがこの、解放という素晴らしい結末を得ることができた最大の要因なんだと、読後に改めて思った。その点は「夜と霧」と等しい。
 細部にわたるメモ、状況を客観的に捉え続ける視点、それらはジャーナリストとして得てきたものだろう。それらは我々の貴重な共通の財産になる。



2024年12月7日土曜日

醗酵牛糞を梅と桃に施す 「奇跡のリンゴ」

 今朝も寒い。薪ストーブに火入れする。

 梅と桃の木があるけど、今年は梅は10個程度、桃は1個だけ結実していた。まあ、まだ引っ越し前だったので、本当はもっと実をつけていたのかもしれない。でも、多分そんなものだったと思う。

 ホームセンター ナンバの「果物を作ろう!!」サイトによると、来年に向けては12月に寒肥を施す必要があるらしい、ということが 分かった。牛糞がじっくり、ゆっくり効くらしい。有機だし、そんなに高くないし。ということで、11月に栗の礼肥したのと同じ醗酵牛糞を施しました。

 1本あたり10kgということなので、一袋ずつ。木は斜面に生えているので、適当に撒いて、スコップで土に入れ込む。といっても、斜面なのでうまく作業できず、適当。遅効性の肥料なので、適当でいいだろう。
 
 奇跡の梅、奇跡の桃が収穫できると嬉しいなぁ。

木村秋則「奇跡のリンゴ」幻冬舎文庫 ISBN: 978-4344416451

 人の人生を変える本、というのがあるのである。木村秋則は福岡正信「自然農法」で人生が変わった。

「失敗というのは途中であきらめること」ということの証明。成功するまで続ければ、そこには「失敗」はない。
無農薬でリンゴを作ることは「絶対不可能」だとリンゴ栽培農家は信じていた。木村秋則は雪で農作業ができなくなる冬、図書館で本を借り、本屋さんで本を買い・・・その中で偶然、福岡正信「自然農法」に出会う。「何もやらない、農薬も肥料も何も使わない農業」を知る。そして・・・・10年以上の苦闘、ついに奇跡のリンゴが実る。その過程は・・・その方法は・・・・・この本に詳しい。

奇跡のリンゴを手に入れようと思ったが、どうやらもう手に入れることはできないようである。需要に応えるには、木村の農場は小さすぎるのである。



2024年12月6日金曜日

梅の剪定 美味しい梅酒ができますように 「オーストラリア 多文化社会の選択」

  今朝も寒い。薪ストーブに火を入れる。

 今日は梅の剪定。美味しい梅酒を作るためには、そこそこの量の梅が必要です。

https://ameblo.jp/midnight522express/entry-12877683413.html

 おやつに薪ストーブで焼き芋を作ってみました。アルミホイルに包んで、ストーブに投げ入れるだけ。1時間程で、美味しい焼き芋ができました。


 先日完成した今年の夏のシドニーツアーの報告集を読んでいる。参加した学生たちの学び、気づき、成長に感動する。


 一方で、もっとうまく学生たちをサポートできたんじゃないか、ナビできたんじゃないかと反省もする。この本に書かれているような実際をもっと上手く伝えて、体験できるんじゃないかとはいつも考えている。


 この本は、20年以上も前の本で、オーストラリアの一人当たりのGDPはもう日本よりもはるかに多くなっているなど、情報は古くなっている。でも、オーストラリアの社会の構造については変わっていない。今でも、有効であるというか、もっとよくなっている気がする。

杉本良夫「オーストラリア」岩波新書 ISBN:978-4004306825

 一人当たりのGNPは日本よりも随分少ないのに、人々の生活はずっと豊かに見える。間違いなく豊かである。ケアンズ郊外にも広々とした家々が広がっており、人々は人生を楽しんでいるようであった。

 大学は無料(卒業してから給与で返済していく)、もちろん高校までの教育は無料だし、年金や失業保険や医療保険などは日本よりもずっと充実している。労働時間もずっと短い。

 結局国民が何を望むのかということと、どういう政府を持つことが出来るのか、ということが決定的に重要なんだろう。僕等は自分で住む場所(国)を決めることが出来る時代に生きている、とも言える。実際、ケアンズにはものすごくたくさんの日本人が住み、働いていた。

 Aタイプ労働とBタイプ労働の話は、なるほどと感心。GNPに換算されない日曜大工、ボランティア・・が大きいほど、GNPは小さいけども実際の生活は豊かになる。金で解決する社会はGNPは増大するけど、それがすべて。それ以外の価値がまったく創造されない。




2024年12月5日木曜日

vs.ネズミ 「風の歌を聴け」

  メダカの鉢が凍っていた。氷点下まで気温は下がったみたいです。朝から薪ストーブに火を入れて、今日は18時まで。現在室温は25℃ある。

 さて、vs.ネズミです。https://ameblo.jp/midnight522express/entry-12877561933.html


 鼠といえば、これ。とてもかっこいい小説。こんな鼠となら、僕もバーの片隅で話をしてみたい。

村上春樹「風の歌を聴け」講談社文庫 ISBN: 9784062748704

  村上春樹のデビュー作。鼠三部作の最初。僕的には、「世界の終りとハードボイルドワンダーランド」の次にお気に入り。