2025年11月29日土曜日

目標達成は望めなく・・・厳しい冬を迎えるのかなぁ 「ベーシックサービス」

  月に5組の来店を目標にしているのですが、11月は残念ながら目標に達せず、でした。今日で11月の営業は終了です。なかなか難しいです。来月に期待します。


 さて、恒久財源については何の見通しもなくガソリン税の暫定税率が廃止されることになりました。暫定なのだから、廃止されて当然と言えば当然ですが、施行されてすでに半世紀も経っているわけで、一般会計に繰り入れられるようになってからは実態としてはすでに「暫定」ではなくなっているわけで、その減税分は当然何らかの予算を削減するか、国債を発行することになるのでしょう。補正予算では所得制限なしのバラマキもやるようですし、178万円の壁を撤廃して高所得者への大きな減税を進めるようです。消費税減税は今やるときじゃないでしょう。資産の少ない低所得者にはすぐに給付をした方が物価高対策にはなるのでは。それよりも物価高の要因は圧倒的に円安が進んだことです。これを何とかしていただきたいものです。原油価格は急落しているのに、日本ではガソリンは安くならない。少し前の$1=120円くらいになれば暫定税率を廃止しなくったって、30円や40円くらいはガソリン代は下がるはずなんです。

 一体この国の格差、不平等をどうするつもりなのでしょうか?  今こそ、所得の再分配機能を強め、誰もが安心して生きて、そして死んでいける社会を目指すときではないのかと思います。


 教育・医療・介護・障害者福祉をベーシックサービスとして無償化する。加えて、品位ある最低保障を実現して「貯蓄ゼロでも不安ゼロ」の社会を実現する。その理論と、実際の方法論を提供する。財源は消費税。16〜20%にすれば、ベーシックサービスを無償で提供できる社会が実現する。そうすると、将来の不安から解放され、将来のために貯蓄に回っていたお金が今を生きる、楽しむために使うことができるようになり、経済も活性化する。

 実際、北欧社会はそれを実現している。将来の不安、長生きするのがリスクの社会、チャレンジするのがリスクでしかない社会、息が詰まりそうな社会を変える処方箋。

 具体的な行動に移そう、というのが著者の提言。具体的な行動は簡単。政治を監視し、投票に行こう、ということ。(2024年10月 記)


2025年11月28日金曜日

12月の営業スケジュールが決まりました 嵐山光三郎さんが亡くなる

  もう11月も終わろうとしています。12月の営業スケジュールが決まりました。年末は28日(日)まで営業する予定です。

 ただし、積雪があったり道路が凍結した場合は臨時閉店する場合もあります。国道からお店までの道路は細くて急勾配です。除雪車は入ってくれますが、特にお店の近くは陽が当たらずなかなか溶けません。除雪されても、凍ったまま・・・ということが昨冬には何回かありました。そんな時はとても危険です。どうぞお越しください、なんてことは絶対に言えません。予めSNSなどでご確認いただければと思います。よろしくお願いいたします。


 嵐山光三郎さんが亡くなったという報道がありました。残念です。もう何十年も前になりますが、よく読んでいました。エッセイ、うまいです。今日少し読み返しましたが、今でも面白いです。
 Books tabito 蔵 にはちょっとしか在庫はありません。

2025年11月24日月曜日

一週間ぶりの営業でした 「Humankind 希望の歴史(上) 人類が善き未来をつくるための18章 」

  22日(土)の愛知・犬山での大学時代のサークルの同窓祭に合わせて、まだ行ったことのなかった比叡山・延暦寺、信楽、なばなの里のイルミネーションなどを巡る旅に行っていました。それで、1週間ぶりの営業となりました。

 すっかり寒くなって、蔵の中はストーブを付けての営業です。そして旅行中に注文をいただいた本の出荷準備など。


 安青錦の優勝はとても喜ばしいのですが、ウクライナ国民はいま、とてもそれを盛大に祝うという状況ではないでしょう。アメリカから突きつけられた「和平案」は、戦後の80年の世界の歩みを無にするようなとんでもないものだと思います。世界中の知恵が試される局面になっています。さて、世界、特にヨーロッパと日本はどんな知恵を出すことができるのでしょうか。ウクライナにとって、瀬戸際です。それは、世界の「秩序」についても同様です。秩序も正義もない世界に向かうことにならないように・・・・・。

 この本の著者は「ほとんどの人は、本質的にかなり善だ」と言います。ほとんどの人の中に、アメリカやロシアやイスラエルのなどの指導者は入らないのでしょう。しかし、本当に「ほとんどの人は、本質的にかなり善」なのでしょうか?  

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 「万人の万人に対する闘争」は正しくない。「ほとんどの人は、本質的にかなり善だ」ということを多くの事実から証明していく。

 ロンドン大空襲、「蝿の王」、「利己的な遺伝子」、銃を撃たない兵士、ジャレッド・ダイヤモンドのイースター島の物語、スタンフォード監獄実験、ミルグラムの電気ショック実験・・・信じられている多くの「事実」は実は事実ではなかったことを暴き、人間が本質的にはどれだけ善かを証明していく。

 後半では、「最悪な人間を想定した現在のシステム」= 法の支配、民主主義、資本主義・・・を乗り越えていく「最良の人間を想定したらどうする」から新しい世界を構想していく。コモンズ、アラスカの永久基金配当(一種のBI)、リゾートみたいな刑務所・・。

 謎は、本質的に人間はかなり善であるにも関わらず、どうしてホロコーストや野蛮な殺戮や、そしてウクライナへの攻撃が起こってしまうのか、ということである。著者は「私たちを最も親切な種にしているメカニズムは同時に、わたしたちを地球上で最も残酷な種にしている」「友情と忠誠心と団結、すなわち人間の最善の性質が、何百万という普通の男たちを史上最悪の虐殺へと駆り立てたてたのだ」と書く。それは、人類は身近な人には共感するが、1000人、100万人、70億人に共感することは不可能で、身近な犠牲者に共感するほど、敵をひとまとめに「敵」とみなすようになるからだという。つまり、共感が私たちの寛容さを損なうと。

 何回も繰り返し読んだけど、ここの部分がまだよく理解できない。では、どうすればこの悲劇を繰り返さなくて済むのだ? それは「最良の人間を想定したシステム」に置き換えていくことで可能なことなのか?  

 ただ、人間はそう簡単ではではない、ということは間違いない。

2025年11月17日月曜日

久しぶりにご来店ありました 「現代思想プラス わたしの留学記」

  今日は久しぶりにお客様がご来店。国道から急な坂道を800m程登っていかなければならない上に、800mの間に家は数軒しかなく、この道で間違っていないか? と、不安にもなる場所です。通りがけにたまたま見つけました・・・というのは100%ない立地です。お越しいただいたお客様には、感謝です。

 さて、中国は旅行者だけではなく日本への留学にも「慎重に判断」するように通達を出しました。今回の事態を招いたのは完全に政府の失政だと思いますが、留学を止めるのはどちらにも不幸なことになります。アメリカもそうですが、留学、学びを政争の具にはしてほしくないものです。

 留学した国、世界中から集まってくる友人たちの国、それらの国と戦争しようとは思わないはずです。留学生を送り出す、受け入れるというのは一番の安全保障になるはずなんです。

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 一冊丸ごと、留学記。アカデミアで一定の地位を築いた方の留学記なので、留学時期は少し前。昭和から平成の時代の留学記。

 多くが修士や博士課程での留学で、学部生には少しハードルが高そうな話が多いのだが、研究についてはともかく、多くが認めるのは、異文化の中で交流し、生活し、生涯の友を作っていくことの重要性、楽しさ、だろう。
ある方は、研究そのものは現在ではwebで繋がることで、実際に行くのと同様、あるいはそれ以上の成果を出すことができるだろう。ただ、その土地の空気、言葉、文化などは行かないと絶対にわからない、そして研究にも実はそのことがとても重要なんだ、というようなことを書いている。

2025年11月16日日曜日

CDの値入れとwebへの登録を進めています 「羆嵐」

  CDは値入れ前分については300円にしています。ぼちぼちと1枚ずつ評価して、webで買っていただけそうなものはアップしています。遅々として進みませんが。

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 テレビでは毎日、熊についての報道が止みません。深刻な状況になっています。熊がどれだけ危険なのか、この本に明らかです。
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 大正4年12月に北海道、天塩山脈の麓苫前村六線沢で起こった史実。丹念な取材に基づく臨場感溢れる記述。

 寒村を巨大なヒグマが襲う。2日間で6人が食い殺された。ヒグマが人間を喰う、その描写が凄まじい。数十人の村人は恐怖に耐えられず村を出る。近くの村の男たち、警察官が徒党を組んで狩りに向かうが、その巨大なヒグマの気配の前になす術がない。人間が対峙できるものではなかった。ひとりの老猟師を除いて。

 2025年11月、いま毎日ヒグマ、ツキノワグマが里山から街中にまで出没し、人間の生活圏と交わり、多くの被害が発生している。一度人間を襲ったクマがどうなるのか、この本に詳しい。

 恐怖でしかない。



2025年11月15日土曜日

買い取った本の値入れと店出し 「憲法を変えて戦争へ行こう という世の中にしないための18人の発言」

  美作の里山は快晴の一日でした。買い取った本のクリーニングと値入れ、そして店出しをしました。

今日入荷した本


 さて、高市首相の不用意な本音発言で日中関係はまた最悪の状況に向かいそうです。台湾に武力による攻撃があった場合に日本は武力で反撃します、という発言をすることまで、日本国民は首相に託したんでしょうか? 

 これは、20年前の本です。20年前には、「戦争するには憲法を変える必要がある」という認識だったわけです。しかし、憲法は変わっていないのですが、この20年のうちに日本は戦争ができる国になったようです。

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 第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
② 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

 
 僕は自分の日本語能力にものすごく疑問を持たざるを得ません。日本語が読めなくなってしまいました。


2025年11月14日金曜日

大谷選手 3年連続MVPおめでとうございます 「Number ベスト・セレクション I」

  昨日、別件で来られた方が蔵の古本屋に興味を示されて、見ていただきました。本にも、小物にも大変関心を持っていただいて、いくつかの興味深いお話も聞いて、嬉しい時間を持つことができました。

 今日、MLBの大谷選手が3年連続MVPを獲得されました。おめでとうございます。すごいですね。

 でも、遠くのMLBよりも近くのカープ。 3連覇した時には、もう永遠に勝ち続けるんじゃないかとさえ思ったのですが、その後の失速ぶりにはちょっと寂しい思いをしています。

また、こんな日が来るのを楽しみにしています

 そして、カープといえばこれ。「江夏の21球」。今年のワールドシリーズ第7戦の山本も凄かったけど、1979年の日本シリーズ第7戦の江夏はもっと凄かった。今でも、鳥肌ものです。
この本(古本)は Books tabito 蔵 に在庫があります

雑誌「Number」のスポーツ・ノンフィクションのベストセレクション。どの文章も、いま目の前で見ているかのように、臨場感にあふれています。
・江夏の21球  昭和54年日本シリーズ 近鉄対広島第7戦
・追跡! 力道山  そのルーツを追い、海峡をわたる
・裂けたバット  長島茂雄 サヨナラ安打14本の軌跡
・前衛思想としての新日鐵釜石 追憶のV7再考
・伝説の完結  アイルトン・セナ、最後のレース
・・・・・・・

2025年11月10日月曜日

NHK党立花党首 なんでもありはなしですよね 「刑務所の中」

  今日もお客様のご来店なし。月5組くらいはご来店いただきたいなぁ、という目標は黄信号が点っています。

 さて、昨日NHK党の立花党首が逮捕されました。地検に送致されたようですが、まだ有罪が決定したわけではありません。それにしても、人を死に追いやるほどの嘘を平気で吐くというのは一体どういうことなのか、僕にはよくわかりません。ただ、この人が日本の選挙やSNS言説を大きく「変えた」というのは間違いないでしょう。やりたい放題でした。言いたい放題でした。

 現在執行猶予中らしく、今回有罪になったら実刑になると言われています。刑務所の中はこんな感じだったようです。今では、変わってしまっているかもしれません。


 銃の不法所持で懲役3年。作者は「ガロ」で書いていた漫画家。

 スケッチすら出来ない刑務所の中を、克明に頭の中に焼き付けて、表現されているその様は異常なまでのリアリティである。悪かったと反省するでもなく、その生活のひどさを告発するでもなく、ただ、見知らぬ土地に生活しているように、だんだんと生活しているその日常を描いている。まるで、異国の地の生活を知らされているような錯覚を読者にもたらし、そして、いつかそんな生活も悪くはないんじゃないか、とまで思わせてしまう。そういう意味で旅本である。それにしても、雑居房の中、独房の中、工場、風呂場・・・多分そのとおりの世界なんだろなー。昭和30年代の日本の伝統的な家、たたずまいを見ているようである。まあ、絵のタッチがそういうものであるということもあるのであるが。(2010年8月記)

2025年11月9日日曜日

蔵へのアプローチは完成しました 「混迷の国ベネズエラ潜入記」

  今月初めに取り掛かった蔵へのアプローチですが、先日完成しました。土を掘って、地下茎を取って、小石を入れて平板を入れる、ただそれだけです。

 これで、今日のような雨でも足元は大丈夫です。

 今日もまたお客様はなし。決して雨のせいでは決してなく、このところお客様の来店がなくて少し悲しい。どうしたものか?



 トランプ大統領は、麻薬流入対策を口実にベネズエラに戦争を仕掛けようとしています。一方で、今年のノーベル平和賞はベネズエラの反体制派指導者マリア・コリナ・マチャド氏に授与されました。いかにも混乱した国、破綻国家になっています。さて、実際のところどんな国なんでしょうか。

 北澤豊雄は快著「ダリエン地峡決死行」の著者。コロンビアの日本料理屋「侍や」を拠点に中南米を旅するライターが破綻国家と噂されるベネズエラに2019年に3度「潜入する」。潜入すると言っても、不法入国するわけではない。スポーツ記者と偽ったり、単なる旅行者と偽ったり・・・まあ、そんな感じで入国し、取材する。

 世界一の埋蔵量を誇る石油で豊かな社会経済を作っていたベネズエラだが、どこでどうしたのか・・今や最低賃金が月額400円(時給ではない、月収!)の国になってしまっている。そして、報道で伝えられる悲惨な状況。

 その本当を見たいと思った著者はいろんな手段を使って使って「潜入」する。何しろ「ベネズエラに行くコロンビア人の商人、十人中六人が帰ってこない」と言われるくらいに危険らしい国なのである。しかし、実際に著者が見た街には貧者が溢れているわけでもなく、まして死体が転がっているわけではない。

 しかし、やっぱり強盗に会うし、騙されるし、警察に拘束されるし、賄賂を要求される。命の危険はいつもそこにある、という感じ。ベネズエラでたくましく生きる人々のこと、破綻しかけた国の警察などの腐敗、月収400円の経済の仕組み・・ドキドキが止まらない潜入記。

 21世紀のこの地球のことである。(2021年4 月 記)


 


2025年11月8日土曜日

蔵前仁一さんがFacebookで紹介してくれました 「一九八四年」

  少し舞い上がっています。先日更新したnoteをあの蔵前仁一さんにFacebookで紹介していただきました。「岡山県美作市630にある「Books tabito 蔵」という古本屋さんで「旅行人」のバックナンバーフェアをやったんですね。今年5月にできたばかりの新しい本屋さん。がんばってね!」ですって。

 


 当分頑張れそうな気がしてきました。


 少し前に「一九八四+四〇 ウイグル潜行」(小学館)を読みましたが、久しぶりにそもそもの「一九八四年」を読みました。
 この本(古本)はBooks tabito 蔵 に在庫があります

 「一九八四+四〇 ウイグル潜行」を読んだのちに、改めてオーウェル「一九八四年」を読む。最初にトランプ大統領が就任した2017年以来だけど、これまで何度か読んでいる。しかし、細部はすっかり忘れていました。
 覚えているのは、「ビッグ・ブラザー」「テレスクリーン」「ニュースピーク」「二重思考」、そして「戦争は平和なり」「自由は隷従なり」「無知は力なり」。

 共産主義や全体主義を批判したディストピア小説として知られるけど、いまだに読み継がれるのは、もっと普遍的に権力そのものの本質をついているからでしょう。「権力は手段ではない、目的なのだ。・・・・迫害の目的は迫害、拷問の目的は拷問、権力の目的は権力。それ以外に何がある」「ナチス・ドイツとロシア共産党は方法論の上ではわれわれに極めて近かったが、自分たちの動機を認めるだけの勇気をついに持ち得なかった」

 プーチンやネタニヤフ、そしてトランプ、その他たくさんの指導者がついにその動機を認めてしまったかのように振る舞っています。

 本書に書かれた当時としての未来を、現代の世界の一部についてはすでに凌駕してしまっているかもしれません。克服ではなく、凌駕です。

 「1984年」は「2025年」かもしれないし、「2030年」かもしれません。この本を読んで、覚悟しましょう。(2025年11月記)


2025年11月7日金曜日

11月の営業スケジュール 「透析を止めた日」

  今日も残念ながらお客様の来店はありませんでした。

 遅くなりましたが、11月の営業スケジュールをここにもアップします。


 基本は金・土・日・月に営業します。20日からは小旅行ということで、21〜23日は閉店します。30日は地域の会合のため閉店します。営業日は決して多くありませんが、みなさまのお越しをお待ちしています。


 昨日の朝日新聞1面に「緩和ケア 腎不全も」という記事が掲載されました。https://www.asahi.com/articles/DA3S16338420.html

 このことの実現に貢献したのが、この本です。

 知らないことが多すぎる。この本からたくさんのことを知った。

 透析患者は生きているかぎり透析を続けるしかないことは知っていたけど、透析を止めた後に旅立つまでの間に人生最大の苦しみがあることは知らなかった。止めたら死ぬけど、それは穏やかなものだと思っていた。

 誰もが、死の間際に緩和ケアを受けられるものと思っていた。しかし実際は、緩和ケアを受けられるのはがん患者とAIDS患者、重度の心不全の患者に限られていて、透析患者をはじめその他の病気の患者は受けることができない。

 透析に血液透析と腹膜透析という二つがあることも知らなかった。日本の腹膜透析の患者は透析患者全体の2.9%だという。香港では69%、欧州やカナダでは20〜30%、日本は極端に少ない。

 著者は取材を進める中で、腹膜透析患者のQOLがとても高いことに気がついた。終末期に腹膜透析を選んだ患者と家族、医療関係者の見取りの場面がとても穏やかで、どこか「納得」して死を見送っていたと感じた。

 しかし、日本で腹膜透析はなかなか普及しない。そこには、巨大医療ビジネスの闇、それは診療報酬という形での国の「関与」がある。それらを明らかにしながら、それでもこの状況を改善しようと全国で励んでいる医療従事者を取材し、僅かな希望を見出そうとする。

 本書は、著者と透析患者の夫の塗炭の苦しみから、「ことに終末期に生じる問題について、患者の家族の立場から思索を深め、国の医療政策に小さな一石を投じようとする」ものである。そして、その試みは成功し、国は緩和ケアの対象に腎不全を含めることにした(2025年11月5日 中央社会保険医療協議会)。

 慢性腎臓病は日本人の5〜8人に1人が罹患する国民病(本書解説より)であるので、僕自身、あるいは家族や友人たちの誰が罹患してもおかしくないものである。本書に出会って、本当に良かった。(2025年11月記)


2025年11月3日月曜日

70〜90年代を中心に、CDもあります 「ボコ・ハラム」

  今日はCDを整理しました。アーティスト順に正しく並べました。70〜90年代のフォーク、ニューミージック、J-POPが中心の品揃えです。令和世代にもきっと響く名曲たちです。



 トランプ大統領は今度はナイジェリアに戦争をふっかけようとしています。ノーベル平和賞が欲しい・・・なんて、冗談がすぎます。もっとも、この大統領をノーベル平和賞に推薦するという首相もいるわけなんですが。「戦争は平和なり」の「一九八四年」の世界をなぞっているようです。

 確かにもう十年以上の間、ナイジェリアはとても厳しい状況にあるようです。ただ、イスラム組織ボコ・ハラムの暴力はキリスト教徒よりもイスラム教徒に向けられたものが多い、というのが現地の報道のようです。https://www.cnn.co.jp/usa/35239970.html

 少し前の本ですが、なぜボコ・ハラムが生まれ、何を目的としているのかを明らかにします。源流は植民地支配にある、というのが著者の結論です。アメリカや先進国と言われる国々がやるべきことは、戦争をふっかけることではなく、貧困や差別、格差をなくす取り組みを進めることでしょう。○○ファーストと言っている限り、世界は危険になり、そう言っている人々もそこからは逃れられないのです。
この本(古本)は、Books tabito 蔵 に在庫があります

 著者は「ルポ資源大国アフリカ」(東洋経済新報社)で、アフリカの苦悩は、根源のところは、というか始まりはやはり列強の植民地支配であり・・・・ということを暴いた。そしてこの本で明らかになるのは、ボコ・ハラムの出現までに至るまでのナイジェリアとその周辺の困難・苦悩は、やはりイギリスを始めとする列強の植民地支配から始まっているということである。

 貧困や差別、格差などが社会変革の運動となっていくのは、いつもそうである。しかし、経済成長がテロの芽を積むことには決してならないことを著者は明らかにする。「テロを企てる際には、無辜の民を殺害する自らの行為を正当化する理論的・思想論的武装が重要である。その意味で、テロとは思想の産物で(中略)知的作業を行い得るテロ組織の中心人物たちが、高等教育を受けた中間層以上であるのは自然なことである。」「テロ組織の中枢が経済的貧困と無縁な人々によって占められている」「経済の急成長で人々の生活や価値観が急激な変容を迫られ、富や雇用機会の偏在が進むと、これを是正しようとする反体制的性格を帯びた運動が台頭し、その中から暴力を厭わない過激主義者が生まれるリスクを、我々は考慮しなければならないのである。」。日本を含めた世界のテロ組織はかつても今もそうなのである。(2018年1月 記)

2025年11月1日土曜日

11月は「月刊 旅行人 バックナンバー フェア」開催中!

 11月のフェアは「月刊 旅行人 バックナンバー」フェアを実施中です。

 雑誌「旅行人」が取次から配本されるようになるずっと前から愛読していました。2000年頃からは勤務する大学生協書籍部でも販売もするようになりました。とにかく学生たちに海外に行って欲しかった。そのためのノウハウが目一杯詰まった雑誌でした。もちろん、自分自身のバックパック旅行にもとても参考になりました。「地球の歩き方」に旅行者の投稿がどんどん減っていくなか、旅行者のリアルな情報が手に入るのは本誌だけになっていました。毎号の特集も、幾つもの連載も世界の最新の情報で満ちていました。本誌の最後のページの「バックナンバー取扱店」一覧に都会の大書店に混じって僕らの書籍部が掲載されているのを見ると、なんとなく誇らしく思ったものです。小川京子さんからはその職場に「ただ今、グアテマラです・・・」なんていう絵葉書が来たりして、僕は「旅行人」の布教をしているようでした。

 ということで、再び布教します。もう、新しい「旅行人」は出ませんけど。

 特に若い人に、読んで欲しいと思っています。そして、ひとりバックパックを担いで、世界を旅してほしい。世界にはそんな若者がたくさんたくさんいます。


 1995年〜2004年までのほぼ全部が揃っています。季刊化後の旅行人も大体揃っています。