2025年7月15日火曜日

選ばれなくなる日本 「ルポ 若者流出」

  参議院選挙投票日まであと5日です。今回の選挙戦では、聞くに堪えないヘイトスピーチが堂々と発せられていること、それが支持されていることに恐怖を感じます。ある日突然変わるのではなく、こんなふうに変わっていくのでしょう。そしていつの間にか引き返すことができなくなっている・・・・。これまで歴史の本の中でたくさん見てきた光景です。

 明治以降昭和まで、貧しかった多くの日本人が南北アメリカ大陸へ移民しました。それぞれの地で、多くの差別を受け、理不尽な扱いを受け、大変な苦労をしながらそれでもその地に根を張って今まで生きてこられています。今日では、大統領になったり、首長や議員になったりあるいはビジネスでもリーダーとてして活躍される方もたくさんおられます。

 移民で大変な差別に遭ったりして苦労された日本人を私たちは知っています。それは、あってはならないことでした。そのことを知っているからこそ、いま日本を選んで来ている外国人に対して同じことをしてはいけないのです。今の時代であっても国外で日本人が差別されたり、地域社会から排除されたりしたら私たちは憤ります。だから、国内で外国人に対してそんなことがあった場合には同じように憤らなくてはならないのです。日本人ファーストではなく、国内で生活する人は等しく尊厳を守られなくてはならないはずです。

 誰かが排除されていなくなると、必ず次のターゲットが定められます。昨日までマジョリティだと思っていた人が、マイノリティになって排除されます。その繰り返しです。自分は大丈夫、なんてことはないのです。

 そのことに気づいて、生きにくさに気づいて若者たちは国外へ脱出し始めています。


 総務省のデータによると22年、23年に海外へ転出すると届け出て移住した日本人は15万人前後だそうだ。

 給与、労働時間、パワハラ、セクハラ、休日、子育て、教育、家族、結婚、多様性・・・ほとんど全ての指標で日本の「生きにくさ」は明確になっていて、それはたくさん報道されている通りなのだけど、若者、機動力のあるもはその解決策として海外を目指す。本書は海外に移住した若者たちのルポ。

 移住する理由の一つ一つが、「そうだよね」と納得。出生数の減少だけではなく、社会的流出もあって日本の人口は今後も減り続けるのであろう。
そして、「日本人が生きづらさを感じている社会に、外国人の方々が期待や憧れを持ってきてくれるとは思えません。・・・・「外国人に来てもらえればなんとかなる」というあまりにも楽観的で、驕りのあるシナリオは、もう成り立たないと思います」という福井県立大の佐々井教授の言葉は重い。

 若者の流出を追うことで、この国の問題、早急に解決しなければならない問題を明らかにする。(2024年5月 記)


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