「本の雑誌」12月号の特集は「町から本屋が消えてゆく!?」(12月号を今頃読むというのもどうか・・と思うけど。遅すぎる。)。
この15年で約8000店、全国で約35%の本屋さんがなくなっている。僕の今住んでいる町にはそこそこ本屋さんはあるけど、僕が生まれ育った町では、目抜き通り、街中にはすっかり本屋さんはなくなってしまった。ショッピングモールの中に、チェーンの本屋さんがあるだけである。僕が住んでいた頃には、それぞれ特徴のある本屋さんが商店街やバスターミナルにいくつもあって高校生の頃までは休日毎に書店巡りをしていた。でも、今ではそれらの本屋さんは一軒も残っていない。
「町から本屋さんが消えてゆく」要因は、たくさんある。今業界で起こっていることすべてが、あるいは過去にやろうとして出来なかったことすべてが、その要因と言っていいだろう。ネット書店、巨大なチェーン店、コンビニ、公共図書館の充実、届かない客注本・・・・・町の本屋というフォーマットは淘汰されるしかないのだろうと思う。善し悪しではなくそういうものであると思う。
しかし、なのである。それでも、出版社の経営者や社員が「町から本屋が消えてゆく」ことを嘆いたり、残念がったり、そんな文章を、特に業界紙なんかでは時々目にすると、それは少し違うんじゃないか、と思うのである。僕は、町から本屋さんが消えてゆく要因をつくった、というか加速させた多くの部分は実は出版社ではないかと思う。それと、巨大な取次か。何しろ中小の書店が注文した本は届かないのである。新刊も、注文品も・・・。少し近くの大きな書店には並んでいても、ベストセラーは中小の本屋には来ないのである。店売の売上げに占める新刊の割合は一般的に半分以上であろう。中小の書店ではもっとあるかもしれない。その商品が手に入らないのである。どう勝負しろ・・・と。そして、お客様からの注文を出版社に手配しても、届くのに早くても3日程度、遅い場合は2週間もかかる・・・。これでも随分改善されたのだけど、その程度なのである。この部分でも勝負しようがない。それらのことを棚に上げてきたのは、出版社、特に大手の出版社と取次である(そして、なくなってゆく本屋さんそのものも実は棚上げしてきた)。でもそのことを自ら問わずに、町の本屋が消えてゆく・・・・ことを嘆いては欲しくない、と思うのである。町の本屋はなくなってもいいのだ、(出版社にとって)効率が悪すぎる・・・・と言ってくれればいい。たぶんそれが本音だし、そして残念ながらそれは事実である。本の雑誌社のことを言っているのではない。本の雑誌社は、それまでの社の歩みを振り返れば、大いに嘆いてくれていい。
検定教科書や、学参、学校への教材の販売等があるおかげで続けられている本屋さんも多い。数年で電子教科書が主流になって、その時はこれらの本屋さんがなくなることになる。これも仕方ない。国や公共団体の財政が破綻していく過程で、公共図書館への納品も町の本屋さんから取り上げられることになるだろう。再販商品だけど、図書館は定価では買ってくれない。違法じゃないけど、これでは大資本の書店に町の本屋さんは太刀打ちできない。そして、町の本屋さんは消えてゆく。
僕自身、町の本屋さんが消えてゆくのに加担している・・・・? 電子版が出ていれば紙の本ではなく電子版を買うようになったし、場合によっては、電子化されるまで待とうなんて思うことすらある。これまで、文庫化されるまで待とう・・なんてことは思ったこともなかったのに。なにしろ、文字が拡大できるので電子版の方が圧倒的に読みやすいのである。高齢者はどんどん電子版へ向かうだろう。一時は十数誌の紙の雑誌を定期購読していたのに、現在では紙の雑誌は2誌だけである。でも、電子版では十数誌目を通している。そんな感じになってしまった。
という状況で、さて自分たちの本屋さんをどうしよう・・・・。
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